移り変わりの著しい時代をすこやかにしなやかに生き抜くために。バランスのとれた真のウェルネスへ誘うべく、マインドフルネスをはじめ、美容、養生、生き方など、今すぐに役立つTIPSを様々なアプローチでご紹介します。
長田杏奈さんに聞く“凝り固まった美意識”を解した健やかな美の作り方
もっと自由に楽しく健やかな美しさを育む方法とは?反骨の美容ライターとして知られる長田杏奈さんにお話を伺いました。
美容との距離感を見直してみる
—メディアやSNSで情報が溢れ、本来楽しみだった美容にストレスを感じている女性も少なからずいると思います。もっと自由に楽しく、健やかな美しさを育むためにはどうすればいいのでしょうか?
前提として、美容を押し付けない社会になることが大事だと思います。そのために必要なのは、美容に対するこれまでの意識を変えること。身だしなみやマナーという“マスト”なものと考えずに、生活に潤いを足すオプションやトッピングだと気楽に捉え直してみることが、すべてのスタートになると思います。
—そのきっかけになるような、具体な方法などはあるのでしょうか?
自分に課しているメイクやスキンケアのTO DOをシンプル化してみたり、苦しいと感じることは思い切って一回やめてみるのもいい。誰かに押し付けられて困っていたら、おかしいのは自分ではなく押し付けてくる側だと抵抗していい。美しさは人間が生まれながらにして備えているものですし、健やかさは食事、睡眠、適度な運動、楽しいと思えることに没頭する時間を過ごすなど、メイクやスキンケア以外でも十分に育むことができる。そういう前提で、気が向くこと楽しめることだけを取り入れてほしいですね。
—健やかな美しさを阻害する原因が、人と比べてしまう自分だったり、内にある場合も多いですよね。
私は、誰もが認めるピカピカの内面美人とかではなくてもいいんじゃないかなって思います。揺らいだり陰陽のグラデーションや屈託があるのって、人間の魅力の内だと思うので。例えば、ポジティブでいつも笑顔でご機嫌な人だけが美しいという刷り込みも、ひとつの抑圧な気がしていて。たとえば、自分のうじうじしたところとか、他人を羨んだり嫉妬してしまうところに蓋をせず、「あー、うじうじしてるな」「あー羨ましいいんだ。嫉妬しちゃうよね」と一度認めた方が気持ちが成仏しやすい。余裕があったら、うじうじした自分を攻めるのではなくどうしてうじうじしたのか、どんなところに嫉妬したのかを分析できると後々肥やしになるんじゃないかな。
情報よりも自分の感覚を大切にする
―では美容を楽しむ上では、何か大切にすべきことはありますか?
肌も体も心も人それぞれ異なる個性をもっていますよね。誰かにとっての正解やたくさんの情報を知るのも面白いものですが、あくまで参考程度に。やっぱりいちばんは、自分の感覚や心地よさを最優先にすることだと思います。
―最後に長田さんが実践されているミニマムメソッドを教えてください。
最近はスチームをあてながら、オイルマッサージをするのにはまっています。水分と油分をバランスよく与えて、巡りがよくなればあれこれ重ねなくても血色の良いふくふく&ツヤツヤ肌に。肌も体も温めるというのはけっこう大事にしています。冷えると調子が悪くなるし、私の場合は悲しくなったり寂しくなったり気分もへこみやすくなってしまうんです。湯たんぽや玄米カイロを活用したり、youtubeのダンス動画を見ながら体を動かしてみるのもおすすめです。巡りがよくなると、フィジカルもメンタルもコンディションが安定する気がします。
—健やかな美しさを叶えるためには、自分の感覚や心地よさに意識を向けることが大切。次回は、凝り固まった美意識をほぐすメソッドをご紹介します。
長田杏奈/美容ライター
雑誌やwebで美容の記事を中心に、インタビューも手がける。著書に『美容は自尊心の筋トレ』(Pヴァイン)、責任編集に『エトセトラVOL.3 私の私による私のための身体』(エトセトラブックス)。Podcastやニュースレターも配信中。
text_ Yuko Homma
Editorial Direction_ Little Lights