
移り変わりの著しい時代をすこやかにしなやかに生き抜くために。バランスのとれた真のウェルネスへ誘うべく、マインドフルネスをはじめ、美容、養生、生き方など、今すぐに役立つTIPSを様々なアプローチでご紹介します。
今すぐに始められる!田中菜月さんが身体を整える、簡単発酵メソッド
健康・美容面への効果にとどまらず、前編Vol.1で学んだのが発酵生活の楽しさ。忙しい現代女性でも取り入れられるメソッドを発酵マイスターの田中菜月さんがアドバイス。
何気ない日常に気づきをもたらし、生活にうるおいを与えてくれるのが発酵の魅力。自分のペースで楽しみながら取り入れるだけでも、自ずと体調が整っていくのを実感できると思います。今すぐ始められる簡単なメソッドをご紹介します。
TIPS:味のグラデーションを楽しむ
実は何を食べるかくらい大切なのが、どう食べるかということ。食べ物を口の中に入れたら、下の上に置いて10秒味わい、その後ゆっくり20回噛みながら味の変化を感じてみてください。味噌が熟成期間の長さで赤味噌や白味噌に変化するように、口の中でも変化が起きているんです。習慣にすることで味覚が繊細になり、少量でも満足感が得られるようになります。
TIPS:発酵スクラブで菌を補充する
除菌・殺菌が欠かせない時代ではありますが、肌の上には必要な常在菌があり、取り除き過ぎるとバリア機能が低下してトラブルの原因になってしまうことも。私は【酒粕1:無糖ヨーグルト1:塩少々】の割合で作った発酵スクラブで顔も全身も洗って、バスタイムには菌を補うようにしています。それも週に3回程度で、それ以外の日はお湯で洗い流すだけ。続けていくと、肌色がワントーン明るくなって乾燥知らずになります。
TIPS:朝の始まりに発酵りんごソーダの習慣を
瓶の中にりんご、ひと匙の蜂蜜、水を入れて一週間放置すれば完成するりんご酵母はレシピ要らずなほどにお手軽ですが、その効果は絶大。私は白湯代わりに毎朝飲んでいますが、腸がグルグル動き出すのがわかるほどです。体調がいまいちな時は発酵りんごソーダを飲んでからお風呂でしっかり体を温めてから就寝。温めることで体の中で菌が活性化し、不調をリセットしてくれます。
TIPS:奄美の伝統発酵飲料「ミキ」を取り入れる
前編でその効果をご紹介した「ミキ」は、さつまいも・お米・水で簡単に作ることができます。発酵飲料としてそのまま飲むのもよし、ミキサーにかけてなめらかにすれば料理にも使いやすくなります。
材料(作りやすい量)
さつまいも:50g
米:250g
水:1L
1.さつまいもは皮をむき、丸ごとのまま水にさらす。
2.米を2回洗い、水を切っておく。
3.鍋に分量の水と米を入れたら中火にかけ、鍋底が焦げないように時々かき混 ぜながら、少し固めのお粥程度に炊く。
4.炊き上がったお粥をかき混ぜながら、50℃以下に冷ます。
5.さつまいもをすりおろし、お粥に加えてよく混ぜる。
6.鍋のまま常温に置き、1日1回混ぜながら発酵させる。
7.プクッと泡が程よく立てば完成(夏場は1~2日、冬場は2~3日が目安)。
TIPS:発酵のエネルギーを自然に還す
健康・美容面の切り口だけで考えると自分だけで完結してしまいますが、発酵は微生物の生き方やメッセージを感じとる行為。偉大なる先輩への感謝の気持ちも込めて、りんご発酵ソーダやミキを作ったら、植物に少しおすそわけしたり、氏神さまにお参りする際にもお供え物として持っていくようにしています。神様に捧げたお供え物を、参拝した後に食べることを直会(なおらい)といいますが、私の場合は発酵食品で。発酵を通じ地球とのつながりが感じられ、リモートワークで疲れた心にもうるおいをもたらしてくれますよ。
田中菜月/発酵活動家
女優・モデルとして活動しながら、発酵マイスターの資格を取得。2016年に初の個展「田中菜月発酵展『醸し、醸され~春うらら♡』」を開催、同年よりワークショップ「N's HaCcOoo Lab」をスタート。飲食店の発酵メニュー・商品開発なども行う。著書に『ゆるくてしあわせな発酵生活』(三笠書房)。
Instagram @natsukki_hakko
http://beautyflow.sunnyday.jp
Text_ Yuko Homma
Editorial Direction_ Little Lights