移り変わりの著しい時代をすこやかにしなやかに生き抜くために。バランスのとれた真のウェルネスへ誘うべく、マインドフルネスをはじめ、美容、養生、生き方など、今すぐに役立つTIPSを様々なアプローチでご紹介します。
鈴木純子さんに聞く。自然派ワインをより深く楽しむ4つの方法
食やライフスタイル全般におけるブランディングやコミュニケーションを手掛け、ワインに造詣の深いことでも知られるアタッシェ・ドゥ・プレス鈴木純子さん。オンラインワインショップ「bulbul」を最近オープンさせた鈴木さん自身が自然派ワインの知識を深めるのに役立った本や、自然派ワインを取り巻く環境に触れられる映画をご紹介します。
『土とワイン 土壌が教える自然ワインと造り手たち』
アリス・ファイアリング、パスカリーヌ・ルペルティエ/エクスナレッジ
葡萄はあらゆる植物の中で、土壌の個性が味にあらわれやすいと言われています。隣り合う畑で同じ品種の葡萄を育てた場合でも、全く異なる味わいになるということもあり、造り手たちは土壌の個性を引き出そうと日々奮闘しているんです。この本では、地質学の専門家の意見を引用しながら、土壌の科学的要素が葡萄とワインに与える影響について、分かりやすい文章で考察・解説されており、ワインの奥深い魅力に触れられます。ワインの味わい方やワイン造りについての基礎知識、土壌ごとのお薦めワイナリーや産地早分かり表などもまとまっているので、ナチュールに限らず、ワイン全般への知識を深めることができます。
『自然派ワイン入門』
イザベル・レジュノン/エクスナレッジ
カウンターカルチャー的存在の自然派ワインを、フランス人女性初のマスター・オブ・ワインとなったイザベルがさまざまなアプローチで考察、ロジカルに解説するガイドブック。土壌や農法、発酵や認証の問題といったレポートに始まり、造り手が集うワインサロンやお店の紹介、また造り手が抱えている問題に至るまで世界規模で網羅されており、自然派ワインの今を知ることができます。彼女がセレクトした間違いなしの自然派ワイン140本以上のリストも掲載されているので、自分好みのナチュールを見つける際の手引きとしてもおすすめです。
『なぜかワインが美味しいビストロの絶品レシピ』
紺野真/サンマーク出版
三軒茶屋の「uguisu」、西荻窪の「organ」の店主であり、シェフでありソムリエでもある紺野真さんが2015年に出版されたレシピ本です。看板メニューの「炙り鯖とじゃがいもの一皿」を含む、実際にお店で提供されてきた50皿のレシピが丁寧に紹介されているのですが、料理とゆっくり向き合い週末の時間を豊かに過ごしたい。そんな気持ちにさせてくれる一冊です。また、折々紺野さんのコラムが挿入されるのですが、そちらも料理に負けず劣らず魅力的。「ヴァン・ナチュールとは」というタイトルで綴られる、実体験に基づいたコラムを読んで、紺野さんの人柄を体感できるとともに、こんな想いを秘めた彼だからこそ、サーブしてくれるワインが抜群に美味しく感じられるのだと思えます。読むと、「organ」に行きたくてたまらなくなるのが、この本の困ったところでしょうか(笑)?
『ワインコーリング』
ブリュノ・ソヴァール監督
南フランスの自然派ワインの造り手たちを、そのライフスタイルとともに追いかけたドキュメンタリーです。夜明けとともに働き、家族とゆっくりと食事を楽しみ、夜は仲間たちと楽しくワインを飲む彼らの姿は生き生きとして、人間的な魅力が画面からあふれてきます。インタビュー答える、何気なく放つ彼らの言葉の中には、思わずメモしたくなるような金言も多く、本当の豊かさとは何か?と考えさせられます。個性豊かで魅力的な造り手がたくさん登場するので、観る度に刺激を受け、この空気の中に早く帰りたいと思ってしまいます。まさに、“観る自然派ワイン”!
鈴木純子/アタッシェ・ドゥ・プレス
「bulbul(ブルブル)」 店主。食やライフスタイルの分野でPR・ブランディングの活動を行う一方で、自然派ワインを取り巻くヒト・コトに魅せられ、フランスを中心に生産者訪問をライフワークとし、ワイン講座やポップアップワインバー、レストランのワインリストのサポートなどを行う。ワインとおつまみを月ごとにお届けする、スロウスタイルのオンラインワインショップ「bulbul」も運営
Instagram @suzujun_ark
Instagram @bulbul_du_vin
Text_ Yuko Homma
Editorial Direction_ Little Lights