
ディレクター安部真理子が紐解く、デザインと着こなしのヴィジョナリー。地球環境や生産者への想い、ファッションへの情熱。心が踊り、触れる肌が喜ぶような装いへの願いとこだわりを、じっくりと綴ります。
古来からの日本の知恵。梅雨時期を快適に過ごせるリネンと藍染め。
吸水性、通気性に優れ、洗濯もしやすいリネン素材。丈夫で抗菌性にも優れる藍染めの生地。いずれも長い歴史の中で人々が見出してきた日本の大切な服飾文化です。雨が続きじめじめとする梅雨の時期を快適に過ごすことのできる、素材の秘訣をご紹介していきます。

リネンはコットンの約4倍の吸湿性があると言われ、汗をかく季節でもさらっと気持ちよく着ることができます。また、発散性や通気性に優れているため、水に濡れてもすぐ乾いてくれるという特性もあります。

汚れがつきにくく、落ちやすい素材。繊維自体に抗菌性があるため、カビや雑菌の繁殖を抑え、防臭効果にも繋がります。さらに、水に濡れることで強度が増すので、洗っても傷みにくく、安心して洗濯を繰り返すことができのるのも魅力です。

EQUALANDのリネンシリーズは、縫製した後にボタニカル・ダイで染めているので、製品染めの風合いがあるとともに、色落ちしにくく、洗えば洗うほど質感が増していくという良さがあります。

人類最古の塗料とも言われる藍は、古来より多くの効能を持つ薬草として生活に根付いてきました。藍染めされた生地には、虫を寄せ付けない防虫効果、抗菌効果、そして防臭効果も認められています。

藍の成分を水に溶けやすい形に加工してから何度も布を浸して染め上げるため、しっかりと色の層が定着し、色褪せしにくい生地に仕上がります。また藍には糸を強固にする働きがあり、染めることで生地が丈夫になります。

湿気の多い季節に、丈夫で洗濯しやすく、生乾きや汗など臭いを抑制してくれる藍染めの素材はおすすめです。
私たちの祖先から受け継がれてきた天然素材の効能を知ることで、じめじめする梅雨の季節を心地よく過ごしていただけたら幸いです。
Editorial Direction_ Little Lights