ディレクター安部真理子が紐解く、デザインと着こなしのヴィジョナリー。地球環境や生産者への想い、ファッションへの情熱。心が踊り、触れる肌が喜ぶような装いへの願いとこだわりを、じっくりと綴ります。
信頼と親密
大切に育てられたものに愛おしく包まれると、安堵で心が解けていく。
私たちが大切に残していきたいのは、ものを作る人の体温なのかもしれません。
生産者がいなければものは形にならず
生産物はひとつとして、芳醇な自然なくしてはできない。
モンゴルの大地を駆け抜けるたくましい山羊。
極上のカシミアに流れるのは、ものづくりにかける人々のたゆまぬ努力。
とろけるようなシルクを届けてくれた小さな蚕たち。
軽やかな着心地を持続させる、生産者のこだわり。
吐く息の白さ、布団の温もり、湯気の立つ食卓。
暮らしの温度は一定ではなく、上下するたびに私たちの心も身体も揺れる。
振り幅を楽しみながら日々、軽やかに身をこなす。
慈悲深く大地を想うあなたに、寄り添う存在でありたい。