
ディレクター安部真理子が紐解く、デザインと着こなしのヴィジョナリー。地球環境や生産者への想い、ファッションへの情熱。心が踊り、触れる肌が喜ぶような装いへの願いとこだわりを、じっくりと綴ります。
リメイクから新しい個性を。AKIKOAOKIが魅せた天然素材とのコラボレーション
ブランド、AKIKOAOKIのデザイナー、青木明子さんは、東京コレクションを代表するファッションデザイナーの一人。現実を本質的な感覚で切り取る青木さんの服は、ファッションは生きる行為そのものであり、纏う人の生き方や姿勢を映し出すものとして存在する。この度、EQUALAND - TRUST AND INTIMATE - とコラボレーションが実現。ファンタジーに溢れる最新コレクションとともに、アップサイクルという新しい形がEQUALANDにお目見えします。
ーEQUALANDの魅力はどんなところだと思いますか?
天然染色の美しさと、素材にこだわった、ひとにも環境にも心地よいものづくりです。
ー素材や色に関してどのように感じましたか?
天然繊維ということで、手で触れた瞬間からどこかほっとするような、安心できる感覚がありました。自分の普段のコレクションでは、天然も合繊も、それぞれの個性に隔てなく向き合っているので、こうして改めて天然素材にだけフォーカスすること自体が新鮮でしたし、素材の特性や質感を改めて感じることができました。また、カラーも天然素材のみで出したとは思えないほどのバリエーションで、またその繊細なニュアンスがとても美しいと感じました。

ーアップサイクルをするにあたり、どのようなコンセプトからスタートしましたか?
今回、リメイクという題材は決まっていましたが、あえて言うならば、リメイクに見えないデザインにしたいとは思いました。
AKIKOAOKIらしさにはこだわりましたか?どのような形で?
AKIKOAOKIは、立体的なアプローチや、カテゴライズされない自由なフェミニン像というところがブランドのポイントになっていると思っていて、今回もそのような点を意識しました。
ーアップサイクルしたアイテムにおいて、デザインの発信源・こだわったポイント・難しかった点とその打開案を詳しく教えていただけますか?
コレクションのように、最初にムードやイメージコンセプトを立てるのではなく、今回は率直に「着たい」や「かわいい」と思えるかどうかで進めました。原型があるものに対して複数を組み合わせることなく、その1着に対してリメイクで新しい個性を宿すということは普段のデザインプロセスである「ゼロからつくり上げること」とは全く異なるので、はじめは難しいかなと思いましたが、各洋服の佇まいと対話しながら、デザイン画も描かずに、実物に鋏を入れつくりあげていきました。

ーファッション業界のサステナビリティ。現在AKIKOさんはどのような部分で力を入れていますか?もしくは、今後どのような形をとっていきたいですか?
AKIKOAOKIもオンライン限定ラインである " n o o n " では、以前、アップサイクルとしてアーカイブの生地でワンピースを制作しました。その時に感じたことは、私ができることは大企業のような大きな資金がかかる環境に配慮したことはできないけれど、自分の活動で出てしまう過剰なものに対しては、小さくても責任をとって新たなものに生まれ変わらせることができるのだ、という発見でした。毎シーズン、新しいデザインや洋服を提案する側として、それはファッションの生命の動きとしては、環境に配慮するならば、という理由だけではどうしても救いきれない動機と信念があります。けれども、自分の活動に対して、アップサイクルという良い循環を作り出すことは、そんなに難しいことではなく、アイデアと協力してくださる周りの方々がいれば、クリエイションにとっても、社会にとっても、ポジティブなサイクルをつくっていけるのだと感じました。そして、これからそういった活動はよりいっそう、求められるものなのではないかと感じます。
青木明子/AKIKOAOKIデザイナー
1986年生まれ。2009年、女子美術大学卒業後、セントラル・セント・マーチンズでファッションを学ぶ。帰国後、日本のファッションビジネスを学ぶために、writtenafterwardsの山懸良和氏が主催する「ここのがっこう」へ。2014年、自身の名を冠した「AKIKOAOKI」をスタートし、翌年春夏東京コレクションでデビュー。
Instagram @akikoaoki_official
https://www.akikoaoki.com/
EQUALAND - TRUST AND INTIMATE - × AKIKOAOKI リメイクアイテムポップアップ
期間:4月22日〜5月4日予定
場所:EQUALAND SHIBUYA
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6丁目20-10RAYARD MIYASHITA PARK South 3F
※4月22日より公式オンラインサイトにて販売開始予定
Editorial Direction_ Little Lights