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自分の人生を豊かにする 社会貢献の形
#I Adore

ものづくりの背景に敬意を払いクリエーションを讃える。サステナブルをテーマに、アーティストや起業家をはじめ想いを共有する挑戦者たちを紹介。彼らのヴィジョンから自分らしいスタイルのヒントを見つけ出します。

自分の人生を豊かにする 社会貢献の形

2021-12-22

動物愛護支援活動をはじめ、様々な社会貢献に積極的に参加されることで知られるミュージシャンの坂本美雨さん。長年にわたる活動を通じて得た気づき、そして母となった今、ミュージシャンとして伝えたい想いについて尋ねた。

スタートは
いつも“自分のため”

ー美雨さんは音楽活動以外にも無類の猫好きとしても知られており、長年にわたり動物愛護団体〈ランコントレ・ミグノン〉を支援されています。猫との出会い、動物愛護支援をはじめたきっかけを教えてください。

両親が猫好きだったのと、野良猫の多い町で育ったので、物心ついたときから猫がたくさんいる環境だったんです。最初の家猫も元々捨て猫だった子で、9歳でNYに引っ越した際にも一緒に連れて行き20年一緒に暮らしました。一番多い時で計4匹にまでなりましたが、飼えなくなった友人から譲り受けたり、シェルターで出会った子たち。既にその頃からNYにはペットショップがほとんどなく、飼いたい人はまず保健所やシェルターに行くのが当たり前でした。

だから日本に帰って一人暮らしをはじめ「また猫と暮らしたい」と思った際にも、ペットショップで猫を「買う」という選択肢が頭になく、里親募集サイトで見つけました。ただその際に、NYのように保健所やシェルターが身近にないことに違和感を覚えて、動物の殺処分やペットショップで動物の境遇などの問題を調べるようになって、その過程で出会ったのが保護動物シェルターの「ランコントレ・ミグノン」でした。

積極的に支援するようになったのも、何か大仰な理由があったわけでなく、「犬のお散歩をしてみたい」という下心からでした(笑)。NYの生活では子供の頃からボランティアをするのが自然なことでしたし、自分で作ったレモネードをガレージで販売して売り上げを寄付する子がいたり、部活動で(国際環境NGO)グリーンピースに参加したり、寄付やボランティアが特別なことではなく日常にシームレスにつながっていたんです。

ー美雨さんが活動されている様子を拝見していても、部活動のように楽しんでいる感じがして「私でも参加できるかも」という気持ちになります。

そう、本当に楽しいから続けているし、動物愛護支援は私の「趣味」なんです。ボランティアというと“自分の人生を捧げて、時に自己犠牲もやむをえないもの”というイメージがあるかと思いますが、部活動のように楽しめて、自分の人生を豊かにするボランティアの形があると思うんですね。日本には、ボランティアや社会貢献活動をしていることを積極的に表に出さない風潮があると思うのですが、私は自分が楽しいからこそ人にも紹介したい。興味のある人同士が繋がって小さなムーブメントからだんだん広まっていけばいいなと、SNS 等で積極的に発信するようにしています。

ー具体的にはどのような活動をされているのですか?

日本で行われている犬猫の殺処分をなんとか減らすことを目標に、その現状とそのために身近にできることを広く知ってもらう活動をしています。10年前は動物虐待や過酷な状況でペットを扱ったり販売することに関して規制する法律がまだ緩かったのですが、動物愛護法改正のチャンスが巡ってくる度に、犬猫の繁殖業者やペットショップに8週齢規制や飼育施設の大きさに関する数値規制などを求める署名やパブリックコメントを政府に提出することで、少しずつ法律もアップデートされてきました。もちろん全ての訴えが一気に通るわけではないのですが、続けることが大切だと思っています。

10年前に比べて現在もペットショップの店舗数自体減ってはいないのですが、飼育環境に関しては20時閉店が義務付けられるなど、徐々に改善されてきたと思います。そして何より、保護猫をもらうという選択肢が広く知られるようになったことが大きい収穫ですね。飼う側の意識の変化はすごく感じていますね。

ー動物愛護支援のほか、美雨さんは子どもの権利を救うためのアクションとして、「こどものいのちはこどものもの」というボランティアチームを発足し、活動されてらっしゃいます。

友人であるエッセイストの犬山紙子さんをはじめ、同志で立ち上げたプロジェクトです。以前から幼児虐待のニュースには落ち込むことが多かったのですが、幼い娘を抱えていた時に起きた目黒区の虐待事件は本当にショックで……もう何か行動を起こさないと耐えられないというくらい感情が溢れてしまったんです。エモーショナルに動きたいと思うのは同じく子を持つお母さんが多いかと思っていたのですが、若い男性や、幅広い層からの熱いメッセージを受け取ったり、私達と同様に“初めの一歩”を探していた人達が想像以上に多いことに救いを感じました。

自分自身を振り返っても、バスに乗るだけで「誰かに迷惑かけているんじゃないか」と心配になっていたし、心身ともに疲れてスレスレの状態になっていたことがあったと思うんです。もう一つ何かプレッシャーが加わったら自分にも起こりえたのではないかと思うこともあって、子どものための活動ではありますが、自分のためでもあるんです。

今は、とにかく虐待問題についての勉強中です。既に長く幼児虐待問題に取り組んでこられた方々にお話を聞く中で見えてきたのは、現代の子育てにおける親の孤立の問題。精神的に追い詰められた親なりのSOSだと思います。また、貧困や難しい家庭環境にある子どもたちへの支援の少なさなど、要因は絡み合っています。誰でも虐待とは隣り合わせにいる。その一歩のところをどうすれば踏み止まれるのかということを一人一人が身近なこととして考え、必要な時には躊躇わず手を差し伸べること、また社会全体でも取り組んでいくことが大切だと思います。

完璧ではなく
真実を追い求めたい

ー美雨さんの社会貢献は、「自分のため」ということに自覚的だからこそ長く続くし、賛同者も集められている気がします。そして同時に、アーティストとしても精力的に活動し、歌を通じて多くの人を癒していらっしゃいます。10月にリリースされた『birds fly』は母となって初めてのソロ名義でのアルバムになりますが、何か心境の変化はありましたか?

一人の人間を生み出すという大仕事をしたからなのか(笑)、娘を産んで2年ほどは、必ずしも自分の言葉やメロディーで表現しなくてもいいな、という気持ちで過ごしていました。ただ、歌うという行為は自分の中でとても大切なもので、気持ちを解放する最善の手段ということには変わりなく、他のアーティストの楽曲に参加できることに大きな喜びを覚えていました。聖歌隊のCANTUSと作ったミニ・アルバム『Sing with me』は、受け継がれてきた親の一員に加われたような気がして、自分自身がとても癒されたのを覚えています。

とはいえホルモンとはすごいもので(笑)、娘への授乳を終えた頃から「作品を作りたい」という気持ちがムクムクと湧いてきたんです。子どもを育てる中で、無意識下に閉じ込めていたコンプレックスとかが出てきたり、自分が生まれ変わるような感覚があって、一番魂が震えているところで歌を作ろう!生身の歌を作りたいし歌わなくてはならない!という感情が高まって、『birds fly』という作品が生まれました。今作のために作ったオリジナル楽曲に加え、haruka nakamuraとの共作「hoshi no sumika」や、平井真美子さんのピアノ曲から歌を膨らませた「shining girl」など、計6曲を収録しています。

ー「そっと人に寄り添って、長く聴いていただける音楽を、じっくり伝えていきたい」という想いから、部屋のなかで演奏しているあたたかみやリアルな感覚、親密さのようなものを大切にした室内楽というコンセプトが生まれたと伺っています。

ピアニストの平井真美子さん、チェリストの徳澤青弦さんとわたし、というトリオ編成でレコーディングスタジオではなく自由学園明日館を使って全6曲を一日で録りました。お互いの音だけに集中して3人が一つの波に乗るような感覚は心地よく、自我がなくなっていく不思議な体験でしたね。演奏的に完璧というものが良いというわけではなくとも、生身のまま波に乗れた瞬間は互いにわかるもので、OKテイクにブレはありませんでした。細かいゆらぎも含めて、すべての過程を見せようと映像で残したのも良かったなと思います。

真実に向かっていくような感覚はとても幸せだったし、完璧ではない、でこぼこしていて生身だからこそ、美しい。それって「生きていてよかった」と思える希望だと思うんです。

坂本美雨/ミュージシャン

16歳で「Ryuichi Sakamoto feat. Sister M」名義で歌手デビュー。1998年に坂本美雨としてミニアルバム「aquascape」をリリースし、1999年に映画「鉄道員」の主題歌「鉄道員」を歌唱。同年フルアルバム「Dawn Pink」を発表し本格的に音楽活動を開始する。また2006年よりおおはた雄一とのユニット・おお雨(おおはた雄一+坂本美雨)としても活動しており、2020年6月におお雨名義では初のアルバム「よろこびあうことは」をリリースした。2021年、坂本美雨として5年ぶりのニューアルバム『birds fly』をリリース。音楽活動に加えて執筆活動、ナレーション、演劇への出演などさまざまな分野で活躍。

Make up_ Kazuko Hayasaka
Photography_ Kaoru Yamada
Interview_ Yuko Homma
Editorial Direction_ Little Lights
撮影協力:OLD HAUS(https://oldhaus.jp)

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