
ものづくりの背景に敬意を払いクリエーションを讃える。サステナブルをテーマに、アーティストや起業家をはじめ想いを共有する挑戦者たちを紹介。彼らのヴィジョンから自分らしいスタイルのヒントを見つけ出します。
EQUALANDがNFTをスタート。ユーザーにとってその利点とブランドのヴィジョンとは?
ラグジュアリーブランドがデジタルアイテムにNFTを使ったり、デジタルアートの高額取引によって注目を浴びているNFT。EQUALANDではこの秋からNFTを導入を始めた。これはユーザーにとってどのようなメリットがあるのでしょう? ベヌウグローバルエンターティメント代表取締役の古賀美奈子さんから話を伺いました。
ーNFTとはなんですか?
NFTは数あるブロックチェーンの中の一種で、ブロックチェーンとは非常に複製しにくくデータを管理するのに適した技術のことです。「AはBのものである」ということをセキュアな環境でデータとして保存したり証明できるため、現在の情報があふれたデータ社会の中で、何かと何かを紐づけてデータを管理するのに長けています。
ーラグジュアリーブランドやアートで多く使われているのはなぜですか?
限られた世界観を持っていたり、数が限定されているといった希少性の高いものに向いているからです。EQUALANDに親和性が高いと感じたのはブランドの背景にしっかりとストーリーがあるから。商品に対する価値を理解する人に長く愛してもらうことができるブランドであるという意味では、ラグジュアリーブランドと変わらないのではないでしょうか。EQUALANDを愛用する人々のように、サステナビリティに対する重要性を感じるユーザーがNFTによって仲間意識やモチベーションを上げることにつながり、より価値の高い購入体験を作り出していきます。

ー今、EQUALANDではどのようにNFTを使っているのですか?
ブランドのアイデンティティとも言えるのが、生産に携わった人々の名前を連ねた「信用タグ」です。信用タグに載った名前の数々は、その生産背景がサステナブルを誇る工場や企業であるというサインです。NFTのマッピングという手法を活用することで、各生産者や生産背景を証明しています。それによって、顧客情報の管理に役立てられることができるため、より細やかな顧客のニーズや傾向に寄り添った提案を可能にします。
ーEQUALANDがNFTを使うことで、ユーザーにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
NFTが付与されたアイテムを購入することによるユーザーのメリットは大きく3つあります。1つ目は、洗濯表示がすぐに見返すことができること。自分の購入したアイテムへのアクセスが簡易的になるためベストな洗濯方法をすぐに確認できます。もともと手のかかりにくい自然素材ではありますが、風合いをより持続させるためのお役立ち情報などが簡単に確認できより便利になります。
2つ目は、自分の購入履歴を見直すことができます。自分の好みを割り出したり、購入したアイテムがどうだったかなどを分析することができ、ワードローブの管理が容易になります。また、生産背景が具体的に把握できることから、商品の品質に関するデータベースにリーチできることはもちろん、背景や糸までに思いを巡らすことで、単なるファッションアイテムの域を超えてサステナビリティについてより深く向き合うきっかけを与えてくれます。
3つ目は、自分にとってより興味のある情報をいち早く得られることです。他よりも早く販売・イベントなどの情報が手に入ったり同じ生産者の新アイテムに出会えるなど、ユーザーの傾向や嗜好にロジカルに基づいた提案を受け取ることができます。さらに、ショッピングだけではなく、生産者に関連するイベントやコンテンツが増えていくに従って、ユーザーたちはファッションやサステナビリティ、環境問題などを始めとしたさまざまな学びの機会を得ることができたり、コミュニティへ参加することがでるようになります。コミュニティが育つほどに、新しいサービスや広がり、社会貢献へのアクションなどが可能になっていくことを目指しています。
ーEQUALANDの服をリユースするときにも役立つのでしょうか?
例えばフリマアプリなどの二次流通サービスがNFTの認証システムを導入することで、アイテムの証明書として役立てることができます。ラグジュアリーブランドに関しては模倣品とその摘出がいたちごっこですが、NFTを導入することでそれも不要になります。品質が証明されるため物の価値が下がりにくくなり、モノを大切にするためのサステナブルなエコシステムを広げていくことができます。技術は日々進化していますので、人々のニーズによってサービスは変化していくものですが、品質保証が当たり前になってくる世の中にNFTは欠かせないものになりそうです。環境負荷の高いファッション業界にとって、NFTはサステナブルな生産背景を保持する業界の基盤を作る可能性に満ちているのです。
ーEQUALANDでは実際、どのように使うことができるのでしょうか?
現在はTシャツのみに付与されています。アイテムの購入をするとこういったメールが届きます。

「NFTを取得する」ボタンを押すとLINEと紐づけられます。
ウェブサイトでは商品の詳細を確認することができ、LINEではEQUALANDとお友達になります。今後、LINEやウェブサイトでの「マイページ」や「イベント」を充実させていきます。
サービスはよりパーソナライズ化し、便利で役立つサービスをお届けします。未来を踏まえた行動や体験にしっかりと価値が残る、サステナブルな社会を仕組みから作っていきたいと考えています。
古賀美奈子
ベヌウグローバルエンターティメント代表取締役。ライブドア上場廃止後の組織の立て直しとライブドア株式会社の黒字化への貢献した後、LINEにて、執行役員として法人ビジネスを統括。 2012年に初のLINEスタンプとLINEアカウントのビジネスソリューションをローンチし、年間約4億のビジネスだったものを2018年には約650億円まで成長させた。現在は、NFTの技術を活用した次世代マーケティングソリューションを手掛ける。
Text_ Yuka Sone Sato
Editorial Direction_ Little Lights