移り変わりの著しい時代をすこやかにしなやかに生き抜くために。バランスのとれた真のウェルネスへ誘うべく、マインドフルネスをはじめ、美容、養生、生き方など、今すぐに役立つTIPSを様々なアプローチでご紹介します。
心地いい自分へ。ストレスマネージメントのススメ
オンオフの切り替えが難しい今、実はものすごくストレスが溜まっていることに気づいてる?セルフケアコンシェルジュのいしずか久見子さんに伺いました。
ストレスに必要なのはマネージメント
—外出規制やリモートワーク、不慣れな生活に適応しようと今みんなとても頑張っている今、気づかないストレスが蓄積しています。まず自分の身体に向き合ってほしい、といしずかさん。
ストレスの原因や感じ方は人それぞれ、それこそ千差万別ですが、この一年は多くの方が心と体が緊張した状態でいる時間が増えたのではないかと思います。また、「私は大丈夫!」と思っている方の中にも、実は知らず知らずのうちに体がサインを出しているなんてことも。
—具体的なストレスのサインなどがあるのでしょうか?
靴底の減り方が左右で大幅に違ったり、仰向けだと寝付けない方などは注意が必要。何かしらのストレスにより体が強ばり、歪みが出ている可能性が考えられます。
適度なストレスは自分を高めていくために時として有益ですが、自分のキャパシティを過信して何もケアしないまま溜め込んでしまうのは禁物!いつの日かキャパオーバーになって、病気の原因にもなってしまいます。気持ちが塞ぎこんでいる時に風邪にかかりやすかったりするように、想像以上に心と体は密接に関係しているもの。真の健康を手に入れるためにも、ストレスマネージメントを取り入れましょう。
セルフケアで自律神経の働きをスムーズに
—ストレスを溜め込まないためには、どうしたら良いのでしょう?
ストレスマネージメントとしておすすめなのが、日々のルーティーンの中に ”緊張をほぐすケア” を意識的に取り入れること。緊張をほぐすケアとは、自分がリラックスできること全般ともいえますが、それを体のシステムに照らすと“自律神経にフォーカスしたセルフケア”となります。
自律神経とは、交感神経系と副交感神経系の2つの神経系から成り、24時間、内臓や血管、分泌腺など全身の器官の働き、体温の調節なども担い、体内の環境が乱れないよう整えてくれている神経です。(主に日中の)活動時は、危険の察知など緊張する場面が多く交感神経系がやや優位に、(主に夜間の)睡眠中や入浴中などの休息時はリラックスして副交感神経系がやや優位になっているのが本来のあるべき状態です。
—昼は活動、夜はリラックスのメリハリが大切なんですね。
ストレスが蓄積すると昼夜を問わず交感神経が著しく優位になって心も体も緊張状態に晒されてしまいます。そこで、自律神経にフォーカスしたセルフケアを習慣化することで「日中は心地よい緊張感を目指してみよう」「今はとことんリラックスする時間にしよう」等と心持ちの切り替えが身につき、ひいては交感神経と副交感神経それぞれが環境に応じてスムーズに作用するように。結果的に環境への適応力が増し、よりホリスティック(全身的)な真の健康に近づくことができます。また、自律神経と密接な関係にあり、体内の免疫細胞の6割〜7割が存在する腸内環境にも良い影響がもたらされるため、免疫力の向上も期待できます。
意識することがマネージメントに繋がる
ストレスの原因を見極め完全に取り除くことは難しくとも、自律神経にフォーカスしたセルフケアで、イライラ、くよくよ、そわそわした状態をこまめに緩和して2つの神経系がバランスよく働いてくれるようイメージしていく。何となくセルフケア的なことをしてみる、良いといわれたモノを片っ端から試してみる、それもすべて無駄にはならないと思いますが、体の仕組みを理解した上で”リラックス”した状態に近づいていこうとするセルフケアは、緊張のほぐれ方や心持ちの変化のスピード感もストレスマネージメントの有効性もアップ。環境の変化に翻弄され過ぎず、できるだけ心と体のバランスが整った状態で適応していきたい今をキープするためにも自律神経の働きを意識したセルフケアは知っておいて損のないアプローチです。
—いつのまにか溜まっているストレス。日頃からケアして毎日心地よく過ごしたいもの。次回は、具体的なメソッドをご紹介します。
いしずか久見子/セルフケアコンシェルジュ
1998年より、ライターとして化粧品トレンドや美容法、国内外のメイクアップアーティストの取材を担当。長年の経験から、皮膚の生理機能やエネルギー代謝、体の使い方の重要性を感じ、執筆の傍らタイ式ヨガ“ルーシーダットン“を学び2009年に講師活動をスタート。また、食の見直しが自身の体質改善に役立ったことから、分子整合栄養医学の講座を受講。栄養医学の資格を取得し、現在は健やかな心身のためのセルフケア情報のキュレーションに邁進中。
https://www.iszkkmk.com
text_ Yuko Homma
Editorial Direction_ Little Lights