移り変わりの著しい時代をすこやかにしなやかに生き抜くために。バランスのとれた真のウェルネスへ誘うべく、マインドフルネスをはじめ、美容、養生、生き方など、今すぐに役立つTIPSを様々なアプローチでご紹介します。
毎日のルーティンにしたい。簡単ストレスマネージメント法
ストレスを蓄積させないためにVol.1で学んだのが自律神経の重要性。日々に負担のないケア方法をセルフケアコンシェルジュのいしずか久見子さんがアドバイス。
自律神経にフォーカスしたセルフケア”というとハードルが高そうに思えるかもしれませんが、日常生活の中に組み込めるものばかり。今回ご紹介するTIPSの幾つかは、心地いいものを求めた結果自然に取り入れている方も多いもしれません。おすすめは幾つかバリエーションを持って、ON/OFFのスイッチを入れるようなつもりで取り入れてみること。たとえば、朝のシャワータイムに良い香りのアイテムを使って自律神経にスイッチを入れておけば、通勤時間に受けるストレスも軽減できます。自分の気持ちや生活習慣にフィットする“ほぐす習慣”を、ぜひ身につけてください。
TIPS:電車の中などでは、腹式で鼻呼吸
緊張が続いて交感神経が優位になっていると、呼吸がどんどん浅くなっていくため、呼吸を深める腹式呼吸がおすすめです。ただし、口呼吸は咽頭がウィルスに暴露しやすいので今は鼻から吸って鼻から吐くよう心がけましょう。精油配合のマスクスプレーをお供にすると、呼吸もよりスムーズになります。
TIPS:空気の澄んだところで深呼吸&ストレッチ
緑豊かな公園や水場など、心地いいと感じられる場所までお散歩して、そこで深呼吸をしながらストレッチしてみましょう。強ばった心と体にスペースが生まれ、自律神経のバランスを取り戻すのに最適です。
TIPS:精油配合の入浴剤、ヘアケア、スキンケアなどを使う
精油に含まれる香りの成分は、嗅覚を通じて感情や本能を司る「大脳辺縁系」や自律神経系を司る「視床下部」に情報を伝えたり、皮膚から吸収された場合も血管まで到達することで、体温、睡眠、ホルモンの分泌や免疫機能などに作用します。そのため、「香りのアイテムでリラックス」というアプローチの中でも精油をブレンドしたオイルでマッサージをしたり、精油配合のコスメを使うことは、より心身のへの働きかけが積極的なのでおすすめです。使いわけとしては、夜にリラックス系の香りの精油(ラベンダー、ゼラニウム、フランキンセンスなどが代表的)が入ったものを使って緊張をしっかり緩め、朝や昼には心地良い活性を促すリフレッシュ系の香りの精油(レモン、ローズマリー、ペパーミントなどが代表的)が入ったものを使うようにしましょう。最近は使いやすいロールオンタイプも種類豊富に揃っているので、自分の気分にフィットするものを幾つか揃えてみるのもおすすめです。
TIPS:腸が喜ぶ食事を心がける
自律神経と腸内環境は密接な関係にあり、互いに影響しあっているといわれています。そのため、腸内フローラの状態をよくする腸活、食物繊維などを含むプレバイオティクス、乳酸菌などを含むプロバイオティクス、両者を合わせたシンバイオティクスなどを意識した食事は自律神経を整えることに繋がります。また、ハーブやスパイスには精油と同じような香り成分を含んでいるものも多いので自律神経に対して良い影響が期待できます。
TIPS:幸せホルモン、セロトニンの分泌促進を意識して行動してみる
朝から昼にかけての陽光を浴びることはセロトニン分泌を促し、自律神経にも働きかけ、副交感神経優位から交感神経への切り替え=覚醒を促してくれます。セロトニンは姿勢の維持、痛みの抑制などにも働き、また日中に蓄積された分は夜になると睡眠のために必要なメラトニンに変化します。セロトニンは、筋肉を収縮して弛緩させるリズム運動(一定のリズムでの呼吸法、エクササイズやダンス、ウォーキング、咀嚼、ガムを噛むなどもOK)、ドラマや映画を観て涙を流すにことによっても分泌が促されます。またセロトニン(メラトニン)の合成には、トリプトファンというアミノ酸と、炭水化物、ビタミンB6が必要で、その条件にはまる理想的な食べ物はバナナ。いつもはクッキーやケーキをおやつにしていたのを、バナナに置き換えてみるのもおすすめです。
TIPS:愛情ホルモン、オキシトシンの分泌促進を意識して行動してみる
オキシトシンは、主にスキンシップを通じて分泌され、ストレスを癒す脳内の情報伝達物質。セロトニンの活性を促す働きもあります。親子、恋人同士、ペットなどとの触れ合いによっていわゆる皮膚接触がなくとも、心から信頼できる相手と時間を過ごすことで分泌が促されるそう。また最近では、自分の心が緩むような、肌触りのよいタオルを触っているとオキシトシンの分泌が活性化しストレスレベルが下がるという実験結果もあるようです。そのため、リネンサプライが上質で心地よく施術を受けられるマッサージを受けたり、肌触りの良いパジャマやルームウェア、寝具をそろえてみるのも効果的です。
いしずか久見子/セルフケアコンシェルジュ
1998年より、ライターとして化粧品トレンドや美容法、国内外のメイクアップアーティストの取材を担当。長年の経験から、皮膚の生理機能やエネルギー代謝、体の使い方の重要性を感じ、執筆の傍らタイ式ヨガ“ルーシーダットン“を学び2009年に講師活動をスタート。また、食の見直しが自身の体質改善に役立ったことから、分子整合栄養医学の講座を受講。栄養医学の資格を取得し、現在は健やかな心身のためのセルフケア情報のキュレーションに邁進中。
https://www.iszkkmk.com
text Yuko Homma
Editorial Direction Little Lights